6月の米朝首脳会談でのトランプ氏と金正恩氏(左) (c)朝日新聞社
6月の米朝首脳会談でのトランプ氏と金正恩氏(左) (c)朝日新聞社
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 トランプ米大統領は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と2月27、28両日にわたり2回目の会談を行う。

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 北朝鮮との協議などでノーベル平和賞を狙っているとされるトランプ米大統領。

「安倍首相からノーベル賞を推薦された」と暴露して物議を醸している。トランプ大統領は「アメリカンファースト」を掲げて自国を優先する政策をごり押している。メキシコとの国境に壁を築こうとしたり、中国との貿易摩擦で世界中の経済を混乱させたりと、世界の平和どころか、世界に混沌をふりまいており、明らかにノーベル平和賞からは程遠い人物だ。

 安倍首相は18日の国会で野党から追及され「米国は日本にとって唯一の同盟国であり、その国の大統領に対しては一定の敬意を払うべきだろうと思う」と苦しい弁明を行った。

 そもそもなぜトランプ大統領はノーベル平和賞を熱望するのか。国際ジャーナリストの春名幹男氏は、その背景について説明する。

「トランプ大統領がオバマ前大統領の業績を上回りたいという気持ちが強い。オバマ前大統領が2009年にノーベル平和賞を受賞しているので、意識しているのは間違いない」

 とはいえ、本人から頼まれたといっても、トランプ大統領のような人物を推薦するとなると、安倍首相自身、自分が世界からどう見られるか、少しは気になったのではないか。しかし、安倍首相には、求められたら推薦せざるを得ない状況があるという。

「安倍首相はやはりトランプ大統領を怖いと思っているのでしょう。彼を刺激すると仕返しされるかもしれない。日米間には貿易問題が横たわっている。日米は物品貿易協定(TAG)の交渉を行なうことになっています。しかし日本側は物品貿易の交渉と主張しているが、米国側は自由貿易交渉といっており、基本的に立場が違っている。トランプ大統領は記者団に『日本からの自動車輸出に大幅な関税をかけてやるといったら、日本側は交渉に応じてきた』とはっきり言っており、安倍首相はこういったトランプ大統領の行動を恐れているのでしょう」(春名氏)

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