こうしたことを踏まえ、上医師が指摘するのは、女性アスリートの定期的な血液検査の重要性だ。池江選手が定期的な血液検査を受けていたがどうかは不明だが、ヘモグロビン濃度をチェックしていれは、早い段階で病気の診断につながるという。早く診断できれば、出血のリスクを減らすことができる。

 日本水泳連盟に、アスリートへの検査はどのように実施しているのか質問したところ、「代表に選ばれた時には選手全員に血液検査などのメディカルチェックは行っていますが、それ以外にどのようなメディカルチェックを行っていたかはつかんでおりません」と返答。池江選手が代表に選ばれたのは昨年4月。以降は選手らに任されていたようだ。

「筋肉量の多いアスリートは貧血になりやすく、女性は生理があるのでなおさら。貧血はパフォーマンスにもダイレクトに影響するから、血液検査を定期的にすべきです」(上医師)

 池江選手の回復を祈るとともに、女性アスリートの健康問題にも光があたることを願いたい。(本誌/上田耕司)

※週刊朝日 2019年3月1日号

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