ドラッグストアの店頭には洗口剤(マウスウォッシュ)がずらりと並んでいます。歯周病や口臭対策に使っている人も多いと思いますが、実際に効果はあるのでしょうか? より効果的な使い方は? テレビなどでおなじみの歯周病専門医、若林健史歯科医師に疑問をぶつけてみました。
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洗口剤は実は歯科医院でもけっこう使われています。私のクリニックでも治療を行う前には、患者さんに塩化セチルピリジニウム(CPC)配合の「Systema SP-Tメディカルガーグル」という、殺菌作用のある薬剤が含有されている洗口剤でうがいをしてもらっています。
うがいによるメリットは患者さん側にも、治療者側にもあります。
口の中には大量の細菌が含まれており、むし歯や歯周病の患者さんであればなおさらです。患者さんの口の中の細菌をあらかじめ減らしておくことは、むし歯や歯周病の治療をよりよい環境で行うことにつながり、治癒の促進にもなります。
治療者側にとっては、細菌の含まれた飛沫(唾液)を浴びるリスクが低くなる、というメリットがあります。むし歯の治療で歯を削ったり、歯周病の治療で歯周組織の清掃をしたりする際には治療器具から、水が出ます。
歯科衛生士さんはバキュームでこの水を吸い取っていますが、完全ではありません。水の中に含まれる飛沫が口の中や一部、外に飛び散る可能性があります。そこで、うがい薬によって飛沫の中の細菌量を抑えようというわけです(なお、飛沫は飛ぶといってもわずかで通常は衛生的には問題ありません。より、クリーンな環境で治療を進めるためにリスクを抑えようと取り入れています)。
さて、ご紹介した塩化セチルピリジニウム(CPC)は「モンダミン」「バトラークリーンマウスウォッシュ」「ガム・デンタルリンスナイトケア」など、ドラッグストアで購入できる一般の洗口剤にも含まれています。このほかグルコン酸クロルヘキシジン(CHG)配合の「バトラー・CXH洗口液」、ポピドンヨードを含む「イソジンうがい薬」、エッセンシャルオイルを配合した「薬用リステリン」などさまざまな殺菌成分の含まれた商品が登場しています。