――アビゲルは善良な女性というより狡猾です。あなたには善良な役のイメージがありますが、悪女を演じた感想は?

「私が善良な女性を演じるようになったのは実は最近で、駆け出しのころは、かなり変わった変人キャラクターを演じたものよ。長いキャリアを積むことで、幸運にも夢にみたような役ややりたかったこともまわってくる可能性も出てきた。同時にいつまでも21歳ではいられないので、年齢的にも異なる役が回って来る。様々な機会が回ってくるのは嬉しい事よ」

――アン女王、サラ、実際に政治に関わり国を動かしています。現代においても、もっと多くの女性政治家が必要だと思いますか。

「勿論、政治、経済、全てにおいて50・50の代表制であるべきだと思う。それが人口の割合だから。アン女王には興味をそそられる。国王として彼女は国を支配していた。それもあんなに何世紀も前の時代に!それは血族的な跡継の決まりに従ったワケだけれど、歴史上権力をもった女性は他にもかなりいた。16世紀のエリザベス女王などもいるわね」

――有名女優でいることで様々なコメントを求められると思います。女王のような立場とは異なりますが、自分がある種の影響力を持っていると感じますか?

「質問に対して、俳優によっては、素晴らしい答えをする人もいるけれど、わたしは自分の言う事には正しいかどうか不安だし、とても気を使う。加えてソーシャルメディアの力を考えると怖い気がする。政治について質問されたりしても、自分の能力範囲を超えていると思うから。質問されたときは精一杯答えても、もし間違ったことを言っていたらどうしようかと思う。本当に怖い。よく知らないことは、あまり発言したくないの。でも何かとても強い関心を持っていて多くのことを知っている人なら、素晴らしい機会だと思うわ」

(取材と文・高野裕子)

※週刊朝日オンライン限定記事

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