橋下:それは政治批評する側も野党も考えるべきです。

田原:野党なんて論外。

橋下:いま聞こえてくるほとんどが「日本の人口を増やせ」の声です。僕は10年前くらいに「鎌倉時代まで遡った日本の人口動態から考えると、日本人の人口は必然7千万人くらいになるだろうし、それでいいんじゃないか。その人口を前提とした政策をやらなきゃいけない」と話したところ、少子化を認めてどうするんだと批判されました。いま日本の合計特殊出生率は1.43。ウチは7ありますけど(笑)、そんな家庭はなかなかない。1億2千万人の維持なんて土台無理な話で、日本人7千万人くらいを前提として、そこに外国人を日本のメンバーとしてどのくらい加えるのか。政治批評はそのような提案をしなきゃいけないのに、みみっちい法案の不備の話ばかりする。

田原:違う。言っちゃ悪いけど、僕は安倍(晋三)さんも含め、自民党幹部に話しているよ。

橋下:安倍さんに直接言うのは政治批評として違うと思います。国民に向けて言わなきゃいけない。

田原:僕のやり方がいいか悪いかわかんないけど、田中角栄以降、宇野宗佑を除き、総理全員に会って言いたいこと全部言っている。

橋下:でも、それは国民に伝わっていないですよ。

田原:総理に文句を言い、3人を失脚させている。

橋下:総理を失脚させるだけじゃダメじゃないですか。

田原:間違っていることを間違っていると言ったら失脚した。総理を守らなきゃいけないの?

橋下:総理を失脚させた後に、新しい政治はどういう方向に進むべきかの提案がなければならない。その総理に色々問題があっても、他の選択肢と比較してまだましなら失脚させてはいけません。比較優位の視点です。そして今の野党がなぜ弱いかと言えば、政権の問題点ばかりをあげつらい、国民にきちんと日本の行く道を示せていないからです。

田原:橋下さんが『政権奪取論』(朝日新書)を出したんで、僕は期待しているわけ。

(本誌・秦正理、田中将介、緒方麦)

週刊朝日  2019年2月8日号より抜粋

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