新作ジャズアルバム「ALWAYS」をリリースした“元祖・国際スター”、ジュディ・オングさん。作家・林真理子さんとの対談では、1979年に大ヒットした「魅せられて」の裏話などを明かしてくれました。
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林:ジュディさんは12月に、初めてジャズのアルバムをお出しになられたんですね。
ジュディ:そうなんです。やっと夢がかないました。みんな「魅せられて」しか歌わないと思ってるかもしれないけど(笑)。私、実は3歳のときからジャズを聴いて育ってるんです。
林:まあ、3歳のときからですか。
ジュディ:昔、GHQ(連合国軍総司令部)の中に心理作戦部というのがあって、父がそこの中国語放送に携わっていたんです。「自由世界は楽しいぞ」という番組をつくるチーフをしていました。それで父はアメリカのジャズのレコードをいっぱい持って家に帰ってきて、夜、選曲してたんです。だから自然と、ドリス・デイ、ナット・キング・コール、フランク・シナトラとかの曲を聴いて、ジャズが体に染みつきました。
林:そうなんですか。CDを聴かせていただきましたけど、もともとジャズシンガーでいらしたのかなと思うぐらいの歌でした。
ジュディ:うれしい。私にとってジャズは骨肉です。血が騒ぐというか。
林:私はそんなにジャズに詳しくないですけど、ライブに行くと、ジャズシンガーってサラッと歌うじゃないですか。あのサラッと感がありましたよ。
ジュディ:頑張って歌ってないということですよね。
林:はい。「黄昏のビギン」も素敵だし、「蘇州夜曲」もアメリカナイズされた感じで、すごく素敵でした。
ジュディ:うれしい。大成功!(笑)
林:編曲も凝ってますよね。
ジュディ:「蘇州夜曲」は服部良一先生の作曲です。服部先生がつくる音楽には、ジャズとかブルースみたいな音が入るんです。だから新しい感覚でアレンジできるメロディーなんですよ。
林:ライブもなさるんですか。
ジュディ:やります。1月26日にコットンクラブ(東京・丸の内)で。ぜひいらしてください。ベテランのミュージシャンとやります。