昨年秋にアルバム「REI」をリリースした。それぞれの曲に、等身大の自分を包み隠さず表現したいという思いが込められている。

「今回の曲作りは、あらためて私自身がどういう夢を志しているのか、どういう音楽を聴いてきたのかを見つめ直すきっかけになりました。結局、自分の中にある歪な部分がいくつも見つかって、戸惑ったりもしたんですが、でもそれが自分の特徴であり、長所でもあるのかなって」

 英語と日本語が混ざり合う歌詞。懐かしさと新しさが行き来するメロディー。声の可愛さと、パワフルなギターテクニックが共生し、共鳴する音楽は、何にも似ていないオリジナリティーに溢れている。

「戦前のブルーズや60年代のロックを聴いていたりすると、『渋いね』『古いものが好きなんだね』などと言われることが多いのですが、私は音楽を古い新しいで分けて考えてはいないんです。音楽は音楽。芸術は芸術。私は私。物事を、分類したり区別したりしたくはないですね」

「神童」という映画の中の「あたしは音楽だから」ってセリフに共感するという。音楽と自分は表裏一体。そこに古いも新しいもないのだと。

(取材・文/菊地陽子)

週刊朝日  2019年1月18日号