昭和64年生まれというだけで「えっ、あの昭和の終わりの?」と返される。

 都度、会話は盛り上がるうえ、誕生日は覚えられやすいというのだ。

「でもね。この反応って、20、30代からはないんです。40代以上の人たちは、元号が変わったときのことを鮮明に覚えているんじゃないですか」

 故小渕恵三氏が「平成」の額を掲げた、あの瞬間のことだ。

 その瞬間を知っている世代は、そのときの記憶がずっと残っているから親近感と興味を持つようだ。

 ボクシングで世界の頂点に立った亀田さんは4年前に結婚をしている。奥さんは、現在37歳の年上妻だ。女性としては、同じ昭和生まれの夫でホッとしたに違いない。

「そう、そう。妻からは、『良かった。昭和生まれで』って言われるんです」

 不都合な点はないのだろうか。

「あります。それは占いに行ったとき。そんなに頻繁に行くわけではありませんが、占師に誕生日を伝えると、大抵『あなた昭和64年生まれなんだ~、じゃ、平成元年ね』と処理されてしまう。用紙をのぞくと、昭和64年の最初の1週間が空欄になっているんですよ。そこで聞くんです。『え、僕の占い、できないってことですか』って」

 不満というほどではないが、「昭和64年生まれ」だと鑑定できないという現実に愕然としたという。

「結局、生まれ年はどっちでもいいんです。だけど、ただ、昭和64年生まれは貴重だよね。昭和64年生まれの世界チャンピオンって僕と(体操の)内村航平選手ぐらいかもしれないですね」

 その内村航平さんは、昭和64年1月3日生まれ。母親の周子さんは、30年前をこう振り返る。

「予定日は昭和63年の12月31日でした。出産したとき、まさか、天皇陛下がお亡くなりになるなんて思わなかった。今思えば貴重な昭和64年生まれになりましたね。次の元号に、航平の『平』の文字がついたのは、偶然なんですよ」

 そんな内村航平さんに親近感を寄せるのが、元AKB48で、タレントの梅田彩佳さんだ。梅田さんも予定日は前年(12月24日)だったが、内村航平さんと同じ昭和64年の1月3日に生まれた。

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