帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「死を生きる」(朝日新聞出版)など多数の著書がある
帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「死を生きる」(朝日新聞出版)など多数の著書がある
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写真はイメージです (c)朝日新聞社
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 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。死ぬまでボケない「健脳」養生法を説く。今回のテーマは「肉を食べること」。

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【ポイント】
(1)がん治療の現場では、肉類は悪者扱い
(2)高齢者は肉類を食べた方がいいとの考えも
(3)あれはダメ、これはダメはやめよう

 肉を食べることは、体にいいのか、悪いのか。これがなかなか、答えが簡単ではないのです。

 私が長年、たずさわってきたがん治療の現場では、肉類は悪者扱いされています。その根拠のひとつは、2012年に米国対がん協会が発表したがん予防のためのガイドラインです。

 そこには、「加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージなど)や赤肉(牛肉や豚肉など。鶏肉は含まない)の摂取を少なくしましょう」と明記されています。

 ここで肉類の成分について整理してみましょう。肉には筋肉組織と脂肪組織があります。筋肉組織の成分は100グラム当たり、水分75グラム、たんぱく質18グラム、脂肪3グラムなどです。脂肪組織の成分は同水分8グラム、たんぱく質2グラム、脂肪90グラムとなります。

 そのほか、アミノ酸、乳酸、カリウム、ビタミン類などを含んでいます。特にビタミンB群については、すぐれた供給源です。

 問題にされがちなのは、脂肪の部分です。脂肪の成分の基本は脂肪酸ですが、これには飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類があります。

 肉類に多い飽和脂肪酸は融点が高いため、人体内では凝固しやすく、血液の粘度を増して血行を悪くします。ですから、飽和脂肪酸を多く摂りすぎると、血中のコレステロールや中性脂肪が増えて、動脈硬化の原因になります。

 不飽和脂肪酸はその構造によって、効果が違います。オリーブオイルやナタネ油に多く含まれる不飽和脂肪酸のオレイン酸は、LDLコレステロールだけを減らすという、いい働きをします。n‐3系(オメガ3系)といわれる不飽和脂肪酸も、血液をサラサラにする効果があります。

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