自民党国会議員の秘書(当時)だった男らが2010年、京都市左京区で不動産会社の経営者宅から現金1億円を奪った事件が政界に波紋を広げている。
11月8日に京都府警に逮捕された上倉崇敬容疑者(44)と西谷真弓容疑者(59)。
主犯の上倉容疑者に被害者の不動産会社経営者宅に多額の現金があると、教えたとみられる西谷容疑者はもともと、工務店を経営。被害者は、以前にも窃盗被害に遭い、金庫から2億円を奪われたことがあった。その関係で情報を得ることができ、上倉容疑者が1億円の強奪に成功したという。
「2人は2010年の参院選挙で知り合ったよう。上倉容疑者は身長180センチ近くあり、ワイシャツのボタンを上から2つまでいつも外し、ホスト風の容姿で、西谷容疑者氏ともいわゆる大人の関係だったようだ。西谷容疑者の情報で1億円の強奪に成功したが、報酬は渡ってないようだ」(捜査関係者)
上倉容疑者は事件当時、自民党の京都選出の二之湯智参院議員の公設秘書。「私生活が派手で注意したことはある」と二之湯議員は報道陣にコメントしたが、永田町の住人をさらに驚かせたのは、上倉容疑者が事件後も、山東昭子参院議員、佐藤ゆかり衆院議員の事務所で何食わぬ顔で仕事を続けていたことだ。
佐藤ゆかり事務所によると、上倉容疑者が当時、参院議員だった佐藤議員の公設秘書となったのは、14年6月2日。
佐藤議員が衆院に鞍替えした15年6月30日まで務めたという。
「本人の素性についてよく知らなかったが、二之湯先生、山東先生から『いい秘書がいる』と推薦され、採用しました。おかしな言動はなかったし、不審に感じたこともありませんでした。とにかくびっくりしました」(佐藤ゆかり事務所)
だが、上倉容疑者は公設秘書という身分にもかかわらず、連日、六本木や祇園で豪遊し、高級外車を乗り回していた。
「2014年11月、衆院選に出馬した佐藤氏の選挙中も、ポルシェで現場にやってきたり、朝の選挙活動にはいつも遅刻ととても、秘書とは思えない仕事ぶり。『夜もいろいろ忙しい』と言い訳していたが、今思うと、強盗に押し入る先を、深夜に物色していたという話も聞こえてきます」(上倉容疑者を知る議員秘書)