安倍首相とトランプ大統領の首脳会談(c)朝日新聞社
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最新鋭ステルス戦闘機F35A(c)朝日新聞社
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 武器輸出拡大の方針を打ち出す米トランプ政権は、対日貿易赤字の解消を安倍政権に迫り、大量の兵器を押し売り。そのおかげで日本の防衛費が将来的に、現在の2倍の11兆円超に達する可能性が出てきた。これは対GDP比2%に当たる額で、いずれ社会保障費を圧迫することは必至だ。

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「私が『巨額の貿易赤字は嫌だ』とシンゾーに言うと、日本がすごい量の防衛装備品を買ってくれることになったんだよ」

 日米首脳会談(9月26日)の後、トランプ大統領は得意気にこう語った。

“盟友”からどんなに足元を見られようが、安倍晋三首相は「高性能な装備品を導入することが、わが国の防衛力強化にとって重要だ」と唯々諾々と従った。

 防衛省が2019年度予算編成で概算要求した防衛費は、過去最大の5兆2986億円(前年度当初予算比2.1%増)に上った。安倍政権での防衛予算の要求額は7年連続で増額している。

 防衛費を押し上げるのは、米政府から直接、兵器を購入するFMS(有償軍事援助)だ。FMSの新規契約額は、今年度予算より実に70%増の6917億円に膨らんだ。国際政治学が専門の流通経済大学法学部の植村秀樹教授が厳しく批判する。

「具体的な防衛政策や政治的な哲学があって、必要な兵器を買っているとは思えません。ただ、高いものを買わされているようにしか見えず、納得できません」

 目玉となったのは陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」(陸上イージス)だ。2基分の取得関連費2352億円が盛り込まれた。

 最終的に米国への支払い総額は4664億円になるが、新型の迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」(1発約40億円)の代金は含まれていない。1基24発だから計48発で約1900億円。さらに、基地建設費なども含めれば8千億円近くに達する見込みで、どんどん値が膨らんでいる。

 イージス・アショアはもともと自衛隊が求めてもいなかったものを、安倍政権が押し付けた形だ。13年の「防衛計画の大綱」にも「中期防衛力整備計画」にも入っていなかった。軍事ジャーナリストの田岡俊次氏がこう指摘する。

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