施行から半年がたち、それぞれのソーシャルメディア事業者から報告書がドイツ政府に出された。それによると、対応状況は次のようになっている。
(1)ツイッターは26万4千件の通報を受け、通報されたコンテンツの11%をブロックまたは削除。
(2)ユーチューブは21万5千件の通報を受け、通報されたコンテンツの27%をブロックまたは削除。
(3)フェイスブックは1704件の通報を受け、21%をブロックまたは削除。
通報件数に対して実際に削除された割合は、どの事業者もそれほど高くない。嫌がらせ目的の通報などもあるからだろう。
個別のケースを見ないと評価は難しいが、どの事業者も表現の自由と人権侵害対処のバランスで悩んでいることがうかがえる。ドイツ連邦司法庁は、今回の報告書を2020年の同法律の再評価に用いるそうだ。報告書を踏まえ、どのように運用されるのか、数年間は注目すべき状況が続く。
※週刊朝日 2018年10月19日号