福光恵
貴理子：子どものころから、とにかく野菜嫌い。ほとんど食べていなかったですね。それが病気のあとは野菜を食べねばと、いろいろなレシピ本を試していたんです。そんなとき、れいこさんのレシピで野菜の蒸し炒めを作ってみたら、野菜をおいしく、しかもたくさん食べられた。おまけに作り方もシンプルで簡単。（調理台の土鍋のひとつを指して）この「玉ねぎの蒸し炒め」なんて、まさしくそうですよね。
れいこ：はい。あとは蓋をしてくたくたになるまで火を入れるだけです。本当に簡単なんです。
貴理子：さっき見てましたけど、これって、あんなにオリーブオイルを入れるんですね。たしかレシピにも、「オリーブオイル大さじ4」と書かれていたことがあって、大量だったから自分なりに量を控えめにして作ったことがありました。
れいこ：私のレシピには分量を書かないことが多いんです。同じ料理でも、素材や気温などによって、例えば塩や醤油の量が大きく変わる。味見しながら、その日、その料理が、一番おいしくなる調味料の量を決めてほしいと思っているんです。自分の口に合うそれぞれの塩梅があっていいんです。
貴理子：それにしても今日、思いました。私の調理は、やっぱりまだオイルが少ないですね。とくにオイルは、太るのが怖くて、大胆になれないというのもあって。
れいこ：トランス脂肪酸が含まれるサラダオイルなどはNGですが、良質なオリーブオイルなら話は別。オイルというより、天然のジュースと思っていいんですよ。また、油で脂を流すこともあると考えると、オリーブオイルはむしろ痩せる調味料と言ってもいいくらい。
貴理子：脂を油で流す……。あー、魅惑の言葉ですねー（笑）。心に刻んで、今日からはドバッと！ あ、でも、いいオリーブオイルって、驚くほど高価ですよね？
れいこ：今日使っているオリーブオイルはチュニジア産で、それほど高いものではないです。私も「もったいない」なんて考えたりせずに、好きなだけオリーブオイルを使いたいので。このオイルも……ちょっと一口試してみます？ はい、どうぞ。
ジェーン・スー
西崎彩智
ゲッターズ飯田
