放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は、名古屋駅の名物弁当店「美濃味匠」。
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在京局のみならず、全国のテレビ局には、自局制作の生ワイド番組がある。
放送時間帯やキー局との関係によって、ローカル局が一本丸々制作している番組もあれば、在京キー局制作のニュースショーやワイドショーの一部のみをローカル放送にしている場合も。
そうした番組は、当然、地元に根付いたネタを扱っているので、台風情報や、それに伴う警報や交通情報、また、地元高校の甲子園球児や東京五輪を狙えそうな地元のちびっこ、さらには、キー局ではスルーされがちな地元のほっこりしたニュースや、もちろん地元のグルメ情報などが満載である。
そうした番組のコメンテーター陣を見渡すと、これがなかなか豪華だし大人数。
歌手、モデル、お笑い芸人から、経済、政治などを専門にする評論家まで、キー局が制作する生ワイドに決して引けを取らない面々が毎日、地方入りしている。
また、私も出演しているメ~テレの「ドデスカ!」のように、放送圏の愛知、三重、岐阜県出身の著名人らを揃えているという特徴もある。
そんなメ~テレやCBC、東海テレビなど、名古屋市に本社を置くテレビ局に出入りするタレントや文化人の多くが行き帰りに立ち寄る店がある。『美濃味匠 JR名古屋駅店』である。
各テレビ局からタクシーのドライバーさんに「名駅の新幹線口へ」と指定して、下車した目の前のガラス扉から徒歩約10秒。その前方に東海道新幹線の自動改札が並ぶという最高の立地。
『美濃味匠』は、愛知県を中心に岐阜県、三重県などで展開し、お弁当やお惣菜に定評があるのだが、JR名古屋駅店は「デリカテッセン」スタイルだ。
“名古屋めし”の代表格の「夢天むす」や「国産味噌串カツ」に「国産手羽先唐揚」。さらに、地元・岐阜県大垣市の水で炊き上げた「炊き込みごはん」「手むすびおむすび」に、高級スーパーでもおなじみの「森のたまご」を使用した「和膳だし巻きたまご」。創業110余年の名古屋の有名肉店『スギモト』とコラボした「国産黒毛和牛めし」や、「だし巻きたまごサンド 烏骨鶏スープ使用」などが並んでいる。
帰りの新幹線で少量つまめるモノから、ガッツリ系、次の仕事場に差し入れたら喜ばれそうなモノまで揃っているのもありがたい。
レジの列に並んでいる有名人を本当にこれまで何度、見たことか。「あたまと、からだと、こころにおいしい食をお届けします」がモットーの『美濃味匠 JR名古屋駅店』は、駅ナカの名店なのである。
※週刊朝日 2018年9月14日号