体操女子の宮川紗江選手(18)に対する暴力問題で、日本体操協会から活動禁止処分などの処分を受けた速見佑斗元コーチ(34)が9月5日、都内で会見を開いた。90分の会見の質疑応答の最後で速見元コーチとベテラン記者との間で“攻防”があった。
鋭い質問をしたのは、体操の取材歴40年超のスポーツコメンテーター・宮嶋泰子さん。速見元コーチの暴力による、宮川選手の脳や精神的な影響を指摘し、また、宮川選手がプロ宣言したことは、速見コーチの金もうけのためではないか、と追及したのだ。
宮嶋さんは先日、テレビ朝日「報道ステーション」に出演し、パワハラをされたと宮川選手が会見で訴えていた塚原千恵子・女子強化本部長を電話取材。協会や塚原夫妻側を“擁護”するようなコメントをしていた。“塚原派”とレッテルを貼られたからかは不明だが、この日の会見の質疑応答では、宮嶋さんは一貫して挙手し続けていたが、なかなか司会者から当てられなかった。1時間半の会見終了直前になって、記者の挙手が少ない中、声を出してアピールした宮嶋さんがようやく当てられた。
スポーツにおける暴力問題に以前から取り組んでいるという宮嶋さんは、宮川選手が暴力を受けたことによる脳の損傷、また、暴力を受けているにも関わらずコーチを支持していることに対して「カウンセリングを行うべきじゃないか」と指摘。速見元コーチはこう回答した。
「当然専門的なカウンセリングだとか、カウンセラーの方の意見を聞いた方がいいと思いますし、必要であれば、ケアをしてあげるべきだと思います」
さらに宮嶋さんは、宮川選手が昨年10月に大阪体育大学と5年間契約を結んだにも関わらず、入学しなかったことを指摘。さらに宮川選手がプロ宣言した背景には「速見さんの生活のためではないか」と畳みかけた。速見元コーチは大阪体育大学との契約について次のように説明した。
「大阪体育大学には宮川選手がどういう形でやっていくか、マーケティング活動をしていきます、ときちんと申請を出し、それを承認いただいて、スポンサーと大阪体育大学と契約を結んだ。ただ、協会の規定がまだできる前になっていたので、(改めて)どのような手続きをしたらよろしいでしょうか、と協会ともやり取りをしていました」