漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「ヒモメン」(テレビ朝日系 土曜23:15~)をウォッチした。
* * *
「大好き」って言った後に、「千円ちょうだい」って言う。そんなヒモメン・しょうちゃん=碑文谷翔(窪田正孝)。こりゃヒモメンつーより、クズメンである。
だって、しょうちゃんのやってること、まぁひどい。同棲中の看護師の彼女・ゆり子(川口春奈)にゴミ出し頼まれると、2階のベランダから生ゴミ放り出す。
金が欲しいな~と思ったら、彼女が大切にしてる漫画の単行本を勝手に売り飛ばす。夏だから大丈夫でしょって、彼女の秋冬物の衣類も、根こそぎ売り飛ばす。
趣味はギャンブル。もちろん働く気はナッシング。なんだったら「俺は無職です。失うものは何もありません!」と胸はっちゃう。
このどうしようもないクズ男、いくらイケメンだからって許せるわけじゃない。でも、なぜか毎回ほだされてしまうゆり子。
「ホームレスになっても、一緒にいよ」って囁かれて、うっかりキュン。寝言で「う~ん……幸せだなぁ」とつぶやかれてキュン。なんなの、これは無限のキュン配給生物か何か?
そう、つまりヒモでもメンでもないわけです。しょうちゃんは、ただの猫なんです。考えてもみてください。あなた、猫にゴミ出し頼みますか? 猫に働けって言いますか?