三男一女の4人の子ども全員を東京大学理科III類に合格させた”佐藤ママ”こと佐藤亮子さん。子どもに対するその徹底したサポートに対しては、「自立心が育たない」「マザコンになるのでは」との意見も少なくない。しかし、4人の子どもたちはどのように思っているのだろうか。佐藤さんの最新刊『佐藤ママの子育てバイブル』(朝日新聞出版)の刊行の際、4人の子どもにインタビューを実施した。
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佐藤さんは「18歳までは親が子どもをサポートすべき」という考えのもと、学校や塾の勉強の準備からテストの回答用紙のチェック、スケジュール管理までこなしてきた。子どもたちを起こす時も、怒鳴ったりせず、靴下をはかせて明るい声で「朝だよ」と起床を促していた。
佐藤ママ流の子育てについて、世間の反応の中には「自立できない」という批判の声が必ずある。でも、実際はどうなのだろうか。
佐藤さんの上の息子2人はすでに東大医学部を卒業し、研修医として働いている。下の2人は大学生だ。4人とも大学入学を機に親元を離れて暮らし始め、食事の用意や洗濯、掃除の家事は自分たちでやっているという。
「家族LINEで私がなにか書き込んでも、息子たちは既読スルーです。18歳までさんざん手をかけてきましたが、マザコンにはなっていませんね」(佐藤さん)
佐藤ママ流の子育てについて、現在研修医の長男は「やりたいことを尊重し、やらせてくれたことに感謝している」と話す。勉強ばかりさせていたのかと思えば、長男は高校3年の7月までサッカーを続けた。
「母に辞めろと言われたことはありません。引退後はサッカーにそそいでいたエネルギーを勉強へ向けて、がんばることができました」
医師としてのこれからの目標を尋ねると、
「一生学び続ける職業。子どものころから勉強の習慣がついていますので、謙虚に学び続けたいですね」
同じく研修医の次男は「勉強はもちろん、それ以外でも母に感謝していることはたくさんある」という。その一つは、きょうだい全員が虫歯が1本もないこと。小学6年まで、佐藤さんが4人の子どもの歯を20分ほどかけて丁寧に磨き、虫歯がないか常にチェックしていたそうだ。