安倍陣営は2012年総裁選で地方票で完敗した石破氏との一騎打ちは避けたい意向だという。そして「石破氏の地方票を奪う〝かませ犬〟的な第3の候補を模索している」(同)という。
急浮上しているのが河野太郎外相だ。
「総裁選に立候補することには変わりはない。どの総裁選を目指すかは、これから慎重に考えていきたい」と発言するなど、本人もまんざらでもない様子。
「『次の次でいい』と河野さんは周囲に話しているが、09年総裁選には出ており内心は意欲満々。派閥の親分の麻生(太郎財務相)さんがOKすれば、河野さんの推薦人になってもいいという議員は多い。石破氏と近いとみられる小泉純一郎、進次郎親子を封じ込めるため、脱原発派だった河野氏をあえてぶつけてもいいんじゃないかと官邸でも推す声もある。河野さんが手をあげたら、推薦人が集まる可能性は高い」(前出の自民党幹部)
受けて立つ安倍首相は総裁選の準備を着々と進めている。
「安倍さんは議員票だけでなく、地方票でも石破氏に圧勝したい。内閣情報調査室を使って情報収集にも余念がなく、自民党系の団体を押さえるなど票の確保に躍起です。圧勝の可能性もある」(官邸筋)
(今西憲之)
週刊朝日 2018年8月10日号