平将門役で加藤さんが主演した、NHK大河ドラマ「風と雲と虹と」(76年)で共演したことも印象的だった。
「私は最終的に将門を討つ平貞盛の役でした。劇中で吉永小百合さんを取り合う三角関係になったこともいい思い出です」
家族で邦楽家としても活躍する山口さんだが、加藤さんは一家の演奏会に、よく足を運んでくれたという。山口さんも加藤さんの舞台をよく見た。
「家も近かったので、時々家族ぐるみで食事をすることもありました」
加藤さんは真面目なイメージそのままに、酒もたばこもギャンブルもやらないことで知られるが、若いころには少しお酒を飲むこともあったという。
「とはいえ僕の記憶の中には、しらふの印象ばかりで、酔っぱらった剛ちゃんというのがありません。いつも澄明な空気を漂わせる俳優さんで、とてもかなわないなぁと思い続けるような存在でした」
(本誌・太田サトル)
※週刊朝日 2018年7月27日号