西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。死ぬまでボケない「健脳」養生法を説く。今回のテーマは「酒とハグ」。
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【ポイント】
(1)適量の飲酒は認知症発症を軽減する
(2)注目されるポリフェノールの効果
(3)酒席でのコミュニケーションとときめき
休肝日はいらない、酒は毎日飲んで、肝臓を鍛えようと唱えている私にとって、酒と認知症との関係は気になるところです。
調べてみると、うれしい結果になりました。適量の飲酒は飲まない人に較べて、認知症発症を軽減するという報告が少なくないのです。
そのメカニズムは以下のようなものです。ひとつは、アルコールには血小板凝集抑制作用や善玉コレステロール増加作用があり、血管性の認知症発症を抑える方向に働くというのです。もうひとつは、脳内の神経伝達にたずさわるアセチルコリンの産出を、アルコールは増加させるというのです。
さらに注目されているのが、赤ワインなどに含まれているポリフェノールです。自然界に存在するものは、緑色植物が光合成で作り出す糖の一部が変化して生まれます。ポリフェノールには様々な種類があります。赤ワインはアントシアニン、大豆はイソフラボン、緑茶はカテキン、カレー粉はクルクミン、ゴマはセサミノールといったポリフェノールが含まれています。
ポリフェノールには強い抗酸化力があり、活性酸素による酸化を抑制します。その作用により脳細胞の劣化を防ぐのです。さらに肝機能の向上、疲労回復、抗がん作用、動脈硬化の予防、抗菌作用とその働きは多岐にわたっています。
このポリフェノールは赤ワインに豊富に含まれていることがよく知られていますが、実はビールやウイスキーにも含まれているのだそうです。ビールの原料であるホップやウイスキーを熟成させるオーク樽にポリフェノールはしっかりあるとのことです。さらに芋焼酎をはじめ様々な焼酎にもポリフェノールは含まれているというのです。