渡辺久信(現西武SD)も細かった体の線を、投げる中で太くしていった。この柔軟性があれば、若いうちから故障で苦しむ可能性も低いだろう。投球の中で失敗も糧にして課題をクリアしていけば、息の長いエースになれる素材だ。

 新戦力という意味では、2軍で本塁打を量産している日本ハムの清宮幸太郎も再び1軍に昇格する時が来るだろう。どの球種に対しても、自分のタイミングで強くスイングすることができるかどうか。最初に1軍にいた時は、どうしても当てに行くような形が見られたが、それでは魅力は半減するし、投手からすれば怖さはなくなる。怖さがなければ失投も減るという、投手有利の循環に入る。いかに自分の間合いに引き込めるか。レベルが上がった投手でも、2軍の時と同じアプローチができれば、必ず結果が出るだけの技術はあると思っている。

週刊朝日 2018年6月29日号

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