手塚治虫の業績を記念する手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)の贈呈式が6月7日、東京・築地の浜離宮朝日ホールであった。第22回のマンガ大賞には野田サトルさんの「ゴールデンカムイ」(集英社)が選ばれた。
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新しい才能に贈られる新生賞は「BEASTARS(ビースターズ)」(秋田書店)の板垣巴留(ぱる)さん。短編賞はお笑いコンビ「カラテカ」の矢部太郎さんの「大家さんと僕」(新潮社)。特別賞は「あしたのジョー」などのちばてつやさんが選ばれた。
マンガ大賞には鉄腕アトムをイメージして創作されたブロンズ像と副賞200万円。新生賞、短編賞、特別賞には、それぞれブロンズ像と副賞100万円が贈られた。
「ゴールデンカムイ」は日露戦争から戻った主人公の杉元佐一が、北海道に隠された金塊をアイヌ民族の少女・アシリパと探す作品だ。4月からはアニメも放送されていて、野田さんは贈呈式で「とてもいいタイミングで受賞できました」と述べた。
「BEASTARS」は肉食獣と草食獣が共存する世界で、ウサギのハルに恋したオオカミの主人公レゴシの物語。板垣さんは2016年のデビューで、今後が期待される女性作家だ。
板垣さんは、作品にも登場するニワトリのキャラクターのかぶり物で姿を見せた。「顔出しNG」として、これまでも贈呈式などに出るときは、特別に作ったかぶり物をしているという。板垣さんは少してれながらこうあいさつした。
「名だたる方がそろっていて、すごく大きな賞なんだなと痛感しています。自分で言うのはなんですがまだ若いので、これからも全力で漫画を描き続けていけたらいいなと思います」
矢部さんは大家のおばあさんとのやりとりを、ユーモアたっぷりに「大家さんと僕」で紹介している。「いま40歳で38歳で漫画を描き始めました。自分ではいまは実際より若い20歳だと思って、チャレンジしていきたい」