Sさんは北海道出身で地元の専門学校を卒業後、上京。映画に出演したり、モデル業などをしていた時、羽田空港で野崎さんと運命的な出会いをし、電撃結婚していた。

そして、捜査当局が注目しているのは、野崎さんが死亡する18日前の5月6日に愛犬の「イブちゃん」も怪死を遂げたこと。

 野崎さんは、「愛犬に遺産相続させたい」と公言するほど溺愛していた。前出の会社の従業員がこういう。

「愛犬も急死でした。夜に苦しみ出し、大阪まで病院に行く途中、もがきながら亡くなったと社長は言っていた。警察からも愛犬の死について、聞かれました。

 そっちも調べなければと警察も言っていた。どうも、警察は社長の自宅の庭の奥手に埋葬した愛犬を近く掘り出して押収するようです」

 さらには野崎さんの死亡推定時刻も不可解なことがあるという。実は妻のSさんらは地元新聞に野崎さんの通夜、葬儀の告知を次のように出している。

《五月二十四日 午後九時零分頃 七十八歳を以て急逝しました……》

「午後8時過ぎに動かなくなったと幸助の寝室で妻のSさんと家政婦が大騒ぎをしたそうだ。なぜ午後9時ちょうどに亡くなったと言い切れるのか。不思議そうに警察もしていた」(前出、野崎さんの親族)

 紀州のドン・ファンの怪死事件のミステリーが氷解する日はくるのか……。(本誌取材班)

※週刊朝日オンライン限定記事

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