舞台での活躍が多かった女優の白石加代子さんですが、作家・林真理子さんとの対談で、2017年のNHK朝の連続ドラマ「ひよっこ」に出演してからは、近所のスーパーで声をかけられるようになったと明かしました。
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林:私、白石さんのことはお若いときから存じ上げているのですが……。
白石:ほんと?
林:私は田舎の子だったので初期のものは見てないのですが、「トロイアの女」とか。
白石:私がまだ劇団にいたころだわ。
林:そのあとも麻実れいさんとなさった「メアリー・ステュアート」(初演1990年)とか、節々で見せていただいています。
白石:どうもありがとうございます。うれしい。そうだったんだ。
林:映画「八つ墓村」(96年)も衝撃的でした。白石さんが話しているだけで、そこだけ時空が変わったような違和感があって。
白石:アハハ、違和感ね。
林:だから4年くらい前かな、白石さんの「百物語」に私の「玉呑み人形」という短編を使っていただけるという話をいただいて、すごく喜んだんです。でも、それきり連絡がなくて。
白石:まあ、その話は初めて聞きました。それは失礼でしたね。
林:いえいえ。私も自分から「どうなりました?」って聞くのもヘンかなと思ってしまって。
白石:私、企画のほうにはかかわっていないんです。私は林さんがデビューなさったばかりのころ、当時の劇団仲間からすすめられて本を読んで、大笑いしながら胸をグサッとやられて、それ以後ずっと意識してたんです。
林:そんなことを言っていただいて光栄です。
白石:私、やりたかったわ。そうと知っていたら、やったと思う。
林:いずれよろしくお願いいたします。
白石:でも、もう「百物語」は終わっちゃったの。92年から22年間もやってたんです。
林:4年前の99話が“最終話”だったんですよね。でも、アンコール上演は続くって。
白石:そうそう。6月から10年くらい前に初演をやった「牡丹灯籠」をやるんです。
林:わっ、なんか怖そう~(笑)。