目指せ全駅制覇! 日本全国の珍しくて難しい駅名を「みんなの漢字」からピックアップしてお届けします。有明海に沿って走る長崎本線は、JR最西の本線です。古くは大陸との玄関口を担った地域とあって、地名の由来をひもとくと数々の伝説に彩られていることが分かります。
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JR長崎本線は、鹿児島本線の鳥栖と長崎を結ぶ幹線です。喜々津─浦上間は、新線と旧線の2ルートがあり、かつては東京、新大阪からの寝台特急も乗り入れましたが、現在は全廃しています。
■【設問】この駅名、読める?(答えは最後)
Q1 神埼
1891(明治24)年開業。古代、景行天皇が荒ぶる神を鎮めて災いがなくなったことから「神幸(かんさき)」の地名が生まれ、のちに神埼に改められたと伝わっています。吉野ケ里遺跡が駅から近く、駅舎は高床式倉庫をイメージしています。
Q2 浦上
1897(明治30)年開業。「浦」は入り江のことで、長崎湾の入り江のこととされますが、詳細は不明です。開業時は当駅が「長崎」駅を名乗っていましたが、1905(明治38)年に路線が延伸されて現在の長崎駅ができ、現名称に改称されました。
Q3 多良
1934(昭和9)年開業。佐賀・長崎の県境にそびえる多良岳のふもとにちなむ駅名とされますが、町名は「太良」と書きます。良いことが多いという駅名にちなみ、2010(平成22)年、ホームに「幸せの鐘」が設置されました。
Q4 長与
1897(明治30)年開業。朝鮮からの帰途、神功皇后が当地で野営した際に寒くて寝られず、「長い夜」と漏らしたのが「長与」の地名の由来と伝わります。駅舎は、地元の特産品であるミカンをイメージしています。
Q5 牛津
1895(明治28)年開業。長崎街道の牛津宿は「西の浪速」と呼ばれ、商人の町として栄えました。「牛津」の由来は、源為朝が大蛇を退治した伝説にちなむもので、大蛇の鱗を載せた牛車が動かなくなり、鱗を当地に祭ったという言い伝えがあります。