東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
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チームスローガン「奮輝」の文字が掲げられる下、決意を新たにする巨人高橋監督(手前)=代表撮影
チームスローガン「奮輝」の文字が掲げられる下、決意を新たにする巨人高橋監督(手前)=代表撮影

 西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏が、巨人のセ・リーグ優勝を予測する理由を明かす。

【写真】決意を新たにする巨人高橋監督

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 3月30日、プロ野球がセ・パ両リーグで一斉に開幕したが、すべてのチームがいいスタートを切りたいと思っているだろう。

 シーズン中盤の連敗とは違い、序盤に大きく負け越すと、選手個々が消極的になったり、逆に簡単に開き直ってしまったりする状況になる。選手は勝つことによって自信をつけ、チームとしての結束力を深めるもの。連敗が続けば、その原因をどこかに探したくなるものだ。だから、4月は最低でも勝率5割をキープしながら、チーム力を高めていきたいと考える。

 私は順位予想をしていなかったが、まずパ・リーグはソフトバンク、セ・リーグは巨人が4年ぶりにリーグ優勝を果たすとみている。今の野球は救援陣の質と層の厚さを誇るチームが圧倒的に有利である。よく、シーズン終盤に各メディアで「●回終了時でリードしていた場合、勝率▲%」と出ると思う。優勝するチームは、リードして終盤を迎えた場合には、ほぼ勝利を収めている。

 昨年、シーズン日本記録となる54セーブを挙げたソフトバンクのサファテに代表されるように、各球団が救援投手に外国人助っ人を多く配するようになったのも時代の流れだ。昔は守護神として外国人投手がいたが、現在はセットアッパーや左のワンポイントも含めて複数の「助っ人」を配する球団が増えた。それだけ各球団が重視していることを証明している。

 前置きが長くなったが、救援陣の質と量ともにパ・リーグはソフトバンクが圧倒しており、故障者が続出しないかぎりは、安定した戦いができるだろう。セの巨人も同じ理由である。メジャーから上原が復帰して、沢村、上原、マシソン、カミネロの4人で七回以降をローテーションを組みながら担える。

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