「チャールズ皇太子は、ある夜、バルモラル邸で女王と向かい合い、このことを頼んだ。だが、女王はカミラ夫人を『That Wicked Woman(あの性悪女)』と言い放った。皇太子は泣きながら、カミラ夫人に電話をしたそうです」


 女王の怒りはすさまじく、王室のイベントにカミラ夫人の参加を許さなかった。

 そんなチャールズ皇太子に王室関係者は冷たく、また彼は家族のなかでも孤立感を味わった。弟のアンドリュー王子に対しては、自分を差し置いて王位を狙っているのではないか、と疑心暗鬼に陥った。さらに暴露本には、妹のアン王女がカミラ夫人の当時の夫と親密な関係を楽しんでいた、とも書かれている。

 2005年にチャールズ皇太子とカミラ夫人がようやく結婚式を挙げる。

「けれども、女王は結婚式の間も、一度もカミラ夫人の名前を呼ぶことはなかったそうです。皇太子が家族そろっての記念写真をお願いしたときでさえ、女王は黙ってその場を去ったと書かれています」(多賀さん)

 本はタイトルこそ勇ましいが、中身はチャールズ皇太子に不満を持つ関係者がリークしたと見られる話で満載だ。こうした本が出版されるのも、ひとえにチャールズ皇太子夫妻の不人気の表れだろう。

 公務を減らしつつあるとはいえ、92歳を迎えるエリザベス女王はまだまだ絶対的存在である。英国に限らず、いずれのロイヤルファミリーも、人間模様は複雑そうだ。(本誌 永井貴子)

※週刊朝日オンライン限定記事

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