パワースポットとして人気の鹿児島県南大隅町の雄川の滝(NHK提供)
パワースポットとして人気の鹿児島県南大隅町の雄川の滝(NHK提供)
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高千穂峰のシーンはドローンで撮影した(NHK提供)
高千穂峰のシーンはドローンで撮影した(NHK提供)
神秘的な奄美大島の海中シーン(NHK提供)
神秘的な奄美大島の海中シーン(NHK提供)
桜島をバックに主役の鈴木亮平さんがジャンプするオープニングのシーンを模した佃ディレクター(NHK提供)
桜島をバックに主役の鈴木亮平さんがジャンプするオープニングのシーンを模した佃ディレクター(NHK提供)

 NHK大河ドラマ「西郷どん」は視聴率が初回から第11話まで14%以上(ビデオリサーチ調べ)をキープし、好調のようだ。ドラマの内容はもちろん、オープニング映像も注目を集めている。

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 吉之助を演じる鈴木亮平と少年時代を演じる小吉(渡邉蒼)が海岸の砂浜で相撲をとるシーンから始まるが、オープニング映像のクリエイティブ・ディレクターを担当した佃尚能さんはこう語る。

「子役は初回しか登場しないことが多いのですが、視聴者が最初に出会う主人公で、その後の物語の原点となる部分、2話目以降、子役ロスになる方も多いと聴きます。毎回、オープニングで小吉と会えることで、視聴者も少年時代のことを忘れずにご覧いただけるのではないでしょうか」

 子ども時代の吉之助が大人になった吉之助に相撲で勝つ設定にしたのはどうしてだろう。

「このドラマは、西郷どんが自分自身と葛藤しながら成長していく物語だと思います。子どもの頃の純粋さや夢、若い日の熱血さ、そして日本を動かす西郷隆盛へと変貌していく。その、エネルギーの原動力は少年時代にあるのではないかと思い表現してみました」(佃ディレクター)

 オープニングにはCGを一切使わず、実写にこだわった。上空から水中まで、鹿児島の美しい大自然を撮影。担当したのは青木肇さん、中村豪さんを中心とする7人のクリエイティブ集団L.S.W.F(LAND SKY WATER FILM)。

「もともと、今回のオープニングとポスタービジュアルを制作するために集まって頂いたフリーランスのクリエイターたちなのですが、撮影している間に、このメンバーでプロダクションを作ってしまおうということになり、L.S.W.Fが誕生しました。サーフィンからスタートした7人なので、自然をライブにとらえるのが凄く上手いチームです」(同)

 ロケでは、現在は新燃岳の噴火で入山することのできない霧島山の山頂まで、ドローンや撮影機材を背負って登山を敢行した。

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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