「ドローンは多い時で3機使用しました。地上50メートルくらいでしたが、標高1700メートルの山頂から飛ばしているので、高さを感じるんでしょうね」
オープニング映像に出てくるエメラルドグリーンの滝つぼは絶景だ。南大隅町の「雄川」上流にある落差46メートルもある滝つぼだという。
「鹿児島には有名な滝がいくつもありますが、その中でもより『秘境』を探し求めて雄川の滝にたどり着きました」(同)
滝つぼから川の中、そして海中のウミガメが泳ぐシーンに替わる。
「ウミガメを撮影した場所は奄美大島で、撮影した土屋尚幸さんの秘蔵の場所です。土屋さんは、写真家として奄美に移住し、映画などの海中撮影も担当しています」(同)
そしてオープニングのクライマックスとも言える、桜島を背景にした吉之助のジャンプシーン。
「鈴木亮平さんにはトランポリンを使って飛んでいただいた映像も撮影したのですが、ご本人に岩の上から飛んでいただいたテイクを使いました。撮影はロケの合間の30分でしたが、タイミングよく晴れてくれました」(同)
佃さんはクリエイティブ・ディレクターとして、大河ドラマ「真田丸」、連続テレビ小説「ひよっこ」のオープニング映像も担当。その「ひよっこ」は 3月8日、VFX-JAPAN アワードのテレビ番組部門で最優秀賞を受賞した。
昨年12月31日の紅白歌合戦のステージ映像も担当したが、X JAPANの「紅」では、ファイアボールの蝶が羽を広げてはばたく映像で、蝶は亡くなったメンバーのhideさんに見立てた。新しい映像に挑戦し続ける佃ディレクターは、仕事外で制作した短編映画がカンヌ映画祭やベルリン映画祭などでも高い評価を得つつある。佃さんの今後にも目が離せない。(本誌・上田耕司)
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