さらに、各記事には「これまでの経緯」がコンパクトにまとめられ、そのトピックをよく知らなくても、記事の背景を理解することができるようになっている。バナジ氏は「その出来事が意味することを理解できるようにすることに最も力を入れている」という。もちろん、記事に関心を持てば、ワンタップで配信元にアクセスして全文を読むこともできる。
記事のキュレーションや要約を行うのは、BBCやフィナンシャル・タイムズ、ワイヤードなどでの経験を持つ6人の専門的な編集者たち。事実報道よりも読者に文脈を伝えたり、新たな視点を提供したりする記事を、意識的に選択しているという。
人間が行った数十万本の記事、数百万回の選定プロセスを人工知能(AI)の“編集者”に学習させて、より広範囲な記事の選定に活用している。紙で培われたノウハウとITを、ジャーナリズムのために組み合わせた先端事例と言えよう。
こうした取り組みは年々若年層の読者が減っている日本の新聞や雑誌にも福音となり得る可能性がある。同社の今後の発展に注目したい。
※週刊朝日 2018年3月23日号
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