森友学園への国有地売却問題で財務省が発表した約80ページにも及ぶ調査報告書によると、昨年2月~4月の間に14の決裁文書を書き換えたこと、文書に明記されていた安倍昭恵夫人、安倍首相、平沼元経済産業相や鴻池元防災担当相、故・鳩山邦夫元法務相ら政治家の名前を削除したことなどが明らかになった。
この当時、森友案件を担当した後、休職し、3月7日に自殺した近畿財務局の男性職員Aさん(54)の親族は本誌にこう話した。
「昨年8月初め、Aから心療内科で『混合性抑うつ不安反応』だと診断されたとききました。『自分の常識が壊された。体調が悪く、夜も眠れない。仕事を1カ月くらい休み、治療のために自宅療養する』と言っていました」
Aさんが親族に打ち明けていた「混合性抑うつ不安反応」とは、いったいどんな病気だったのか。精神科医の片田珠美氏はこう解説する。
「ハッキリとしたストレスになるような原因があって、それに対する反応として、抑うつ状態と不安状態が両方とも出ているという病名ですね」
昨年8月初め体調を崩したというタイミングは、森友学園の籠池泰典前理事長地が補助金不正受給問題で妻と逮捕された昨年7月31日と時期的に重なる。
親族はこう悔しさをにじませた。
「仕事のストレスがたたった。とても許されることではない仕事を押しつけられたのではないか」
籠池氏に続き、今度は自分も捜査されるんじゃないかという不安感があったかもしれない。親族はAさんが「100時間を超える残業をやらされていた」とも訴える。
「心身ともに疲れきっていたようです。心配していたが最悪のことが起きてしまった。その後も電話で話をしましたが、暗い口調でした。故人の人間性は途中で投げ出さないし、まじめ1本やりで、自分には厳しく責任感が強い。人を責めないし、逃げ道は作ってあげるタイプ。その性格が今回は仇になったのかも……」(親族)
前出の精神科医の片田氏はいう。