【21】今回、宇野昌磨が追いかけた。後輩がすぐ後ろにいる。どんな気持ちか。
まず一つ言っておきたいのは、僕は勝利を確信していたので、彼が4回転ループを本当にきれいに決めたとしても、やっぱり点差的に負けることはなかったな、というのは前提として言っておきます。へへへ。
まだ引退するとは言ってないですし、その気持ちもないし、まだやることはいっぱいあるんですが、(仮に)引退と言っちゃえば、彼に任せられる。そういう頼もしさは感じています。ただ、まだ(宇野は)人前で寝るとかするので。もうちょっと面倒見なきゃなと思っています。
【22】五輪で北朝鮮の選手にどんな印象を持ったか。
彼らは本当に一生懸命練習していたし、技術力も持っていると感じています。やっぱりスケートの仲間であることは確かなことだと思うので、彼らがオリンピックに出られて良かったと思いますし、結果を出してよかったと思っています。
【23】フェルナンデス選手との友情について。
彼は本当に優しい人で、優しすぎてちょっと競技には向いてないんじゃないかなというほど。彼がいたからこそ僕はカナダに行ってトレーニングするという選択をしました。僕は金メダルを取ったときに泣いてしまったんですが、実は泣くスイッチが入ったのは彼のメダルが決定したからでもあった。彼のメダルは本当に僕も誇らしかったし、本当にうれしかった。6年間一緒に練習してきて、お互いを高め合いながら試合に出ることができた。彼がいなくちゃ、僕はこの席にこのメダルを持ってこられなかったと思っています。
【24】家族を持ちたい思いはあるか。
ここまで応援してくださるファンの方がいて、ファンじゃない方も今回すごく応援してくれて。家族を持ったら、裏切られたとか言われるかもしれないし。アイドルじゃないですけど、応援してくれる人がいるのはありがたい。
【25】ファンからいただいたプレゼントの行方は?
(「くまのプーさん」は)森に帰りました。すごくこの言葉が好きで、ギャグじゃなくて、ファンタジーで良いのかなと思いました。
【26】揮毫に「自分自身を貫く」と書いた。
自分を貫いていると、家族に心配されたり、本当に信じている人に裏切られたりするかもしれない。ただ、そうやって自分自身を貫くことで後悔はしない。後悔をしないようにしてほしいな、と思って書きました。
(2月27日、日本記者クラブと日本外国特派員協会の会見から抜粋)
(構成/本誌・上田耕司)
※週刊朝日 2018年3月16日号