リストラに乗り出すみずほ
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主要企業の人員リストラ(週刊朝日 2018年3月9日号より)
主要企業の人員リストラ(週刊朝日 2018年3月9日号より)
全国銀行職員の推移(週刊朝日 2018年3月9日号より)
全国銀行職員の推移(週刊朝日 2018年3月9日号より)

 業績不振が続く電機・ハイテク業界、地銀中心に再編・統合の最中の金融業界。「限界業界」から聞こえてくる悲鳴をリポートする。

【図表】主要企業の人員リストラの状況

 メガバンクにいた50代の元行員は出向・転籍前のときをこう振り返る。

「出向させられる直前の50歳ぐらいになると意識する。相手先により処遇に違いがあるが、給料はだいたい半分になる」

 黄昏の日本に高度経済成長という時代があった。半世紀近くを経て有効求人倍率はその末期以来の高水準にある。だが、この人手不足の最中に企業の構造改革、人員リストラが止まらない。

 今年に入りNECや富士ゼロックスが人員リストラを相次ぎ打ち出した。

 NECは1月30日、2020年度に向け国内で3千人を削減する構造改革を発表。他社に比べ多い間接費の削減を狙う。国内8万人を対象に、退職による自然減を含まず希望退職者募集などで減らす。翌31日は富士フイルムホールディングスが傘下の富士ゼロックスを再構築し、新会社が世界で1万人を減らすと発表した。

 電機・ハイテク関連業界は韓国や中国勢の躍進が著しく、日本勢は劣勢で事業撤退や再構築を加速させている。最近は人工知能(AI)や自動運転技術などの開発競争が激化し、先端分野への取り組みも必要だ。

 電機・ハイテク関連業界で「開発部門の人材を採りにいっている」というのは、組織・人事コンサルタントの秋山輝之・ベクトル副社長。人材配置を見直すリストラが増えているという。昨年はニコンやウシオ電機などが希望・早期退職者を募集し、東京商工リサーチによると、主要企業の募集件数が5年ぶりに増えた。

 求職者に対する求人数割合の有効求人倍率は昨年平均で1.50倍。厚生労働省によると1973年の1.76倍に次ぎ過去2番目に高い。リストラ増加について、秋山氏は「転職先がある状態になり企業がリストラする環境が整った」と話す。

 電機・ハイテク関連業界にとどまらず、高給で安定イメージの強かった銀行業界もリストラの最中だ。

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