地方銀行105行には規模の利益を求め、地域を超えた経営統合で生き残りを目指すところが少なくない。
新潟県の第四銀行と北越銀行が目指す経営統合は昨年末に公正取引委員会が認めたことを受け、今年から本格的に動き出す。総資産は8兆円規模となる。
地銀の総資産をみると、横浜銀行と東日本銀行が経営統合したコンコルディア・フィナンシャルグループ(東京)を筆頭に上位10に10兆円規模がひしめく。
千葉銀行と武蔵野銀行(埼玉)の包括提携や、青森銀行と秋田銀行、岩手銀行の東北3行連携、百十四銀行(香川)と阿波銀行、伊予銀行、四国銀行(高知)の四国アライアンスなど緩やかな業務提携もある。歴史的な低金利など厳しい収益環境で、今後は利益を求め経営統合し、大規模なリストラに乗り出す可能性もある。
日本銀行が春秋に公表する金融システムレポートで昨年10月の資料は、日本の金融機関は国際的にみて収益性の低さが目立つと指摘。「可住地面積当たりの金融機関店舗数で、日本は突出して多い」とし、「従業員数や店舗数は需要対比で過剰の可能性」があるという。全国銀行協会によると、3メガも含め116行の総職員数は約30万人。このほか嘱託や臨時従業員もいる。
大手行では、みずほフィナンシャルグループが昨年11月に構造改革を発表した。26年度までに約1万9千人を削減する。非正規も含め連結ベースで8万人の従業員が対象だ。自然減だけで対応できず、本格的な人員リストラとなる。
みずほは第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行が統合して誕生したが、統合直後から大規模なシステム障害が相次いでいた。その対応に「大量の人員を投入して伝票など処理作業に追われていたはずで、それにめどがつき今回のリストラになったのではないか」とライバル行の関係者はみる。
一方、大手行再編で誕生した3メガの他の2グループは統合直後から人員削減を進めていたとみられる。