オーロラやピラミッドを見たい!(c)朝日新聞社
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 100歳時代の到来で、人生二毛作どころか、三毛作も可能になってきた。みんなは第二、第三の人生をどう過ごそうとしているのだろう。やり残している夢はありませんか……。本誌は、シニア世代を中心とする100人に率直に聞いてみた。回答はもちろん十人十色だが、多くは頑張れば手が届きそうな「計画」。それを実現するためにはどうしたらいいのだろうか。

 保坂サイコオンコロジー・クリニックの精神科医・保坂隆さんは、30~40代の「人生のわな」を警告する。この時期に無理をして、たばこや酒を控えず、運動不足の生活を続けていけばどうなるか。「この年代の分度器1度の違いが20年後にすごく大きな違いとなるのです」(保坂医師)

 さらに50代は、第二の人生を考え、内観するときだという。美化して記憶されていた過去を修正するために同窓会への参加を勧める。残りの人生の方向性も見えてきそうだ。

 そして60代。「ここからは健康寿命の意味やひとり老後の可能性を考え、いつ死んでもいいように、気になっていることは先送りしない。オーロラを見たいならすぐに出かけてほしい。物だけでなく仕事で関わった人間関係も断捨離して新たな人間関係を築いてみましょう」(同)

 いくつになっても新しいことに挑戦し続けられる人がいる一方で、「私はダメ」とあきらめる人がいる。この違いはどこにあるのか。「スマートエイジング」を提唱するシニアビジネスの第一人者、村田裕之さんに聞くと、

「一つが認知機能の差。あとは、目標設定型の生活ができているかどうか」

 脳がキャパシティーオーバー(許容範囲超え)すると認知機能が低下する。覚えたくても覚えられないので、昔の記憶を引き出す生活のほうが楽で、新しいものから遠ざかる。だから脳の刺激も少なくなる。

 村田さんは学生時代に暮らしていたパリで、おひとりさまのシニア男性を見るとこう感じる。自立心が強く、寂しそうに見えないな、と。日本ではどうか。公園でベンチに座っていたら、どこかもの悲しく映ってしまう……。「シニア男性に必要なスキルは会話力をつけることでしょうね」(村田さん)。軽いコミュニケーションでもいい。生き方のヒントがそこから生まれるのかもしれない。

 いずれにせよ、やり残すことがないように、やりたいことは手当たり次第にやってしまいましょう!(本誌・大崎百紀)

週刊朝日 2018年2月9日号より抜粋

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