過密スケジュールが続く。「睡眠は4時間でも平気です。たまの休みに5度寝しますから」と笑ってみせた。赤のパンツ2万円、ポエム&ローゼズフリルブラウス白2万2000円、すべてKiwandaKiwanda(撮影・門間新弥)
過密スケジュールが続く。「睡眠は4時間でも平気です。たまの休みに5度寝しますから」と笑ってみせた。赤のパンツ2万円、ポエム&ローゼズフリルブラウス白2万2000円、すべてKiwandaKiwanda(撮影・門間新弥)
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2018年の100人 その1(週刊朝日 2018年1月19日号より)
2018年の100人 その1(週刊朝日 2018年1月19日号より)
2018年の100人 その2(週刊朝日 2018年1月19日号より)
2018年の100人 その2(週刊朝日 2018年1月19日号より)
2018年の100人 その3(週刊朝日 2018年1月19日号より)
2018年の100人 その3(週刊朝日 2018年1月19日号より)

「ギター、けっこう間違えたけど(笑)、みんな楽しんでますかー!?」

【表をみる】2018年を彩るのは?「のん」など注目の100人はこちら!

 昨年12月28日、東京・恵比寿。ホールを埋めた観衆にのん(24)は笑顔で語りかけた。

 全身金ピカのタイツに金のミニスカ。赤いマントを翻し、ギターをかき鳴らす。大声援の中、前のめりでマイクに向かった。

 従順にはなれない
 私の心は生きてる
 お気に入りの靴で
 ジグザグに歩いたっていいじゃない

 自作曲「ストレート街道」から、彼女の今の思いが伝わってくる。

 2017年は「新しいことにたくさん挑戦できた年」だった。声優として主演を務めたアニメ映画「この世界の片隅に」は大好評で、菊池寛賞を受賞した。アクションペインティングの写真集の出版、ファッションブランドのデザイン、音楽レーベルの設立、CDデビュー、朗読劇……活動の幅は一気に広がった。

「やりたいことはやっていいんじゃないかという気持ちがむくむくと湧いてきたんです。限りなく自由に、楽しいことなら何でも挑戦したい。それを応援してくださる方と一緒に楽しもうという気持ちですね」

 邪気のない笑顔でそう話す。彼女が自任する肩書は「女優、創作あーちすと」。そのココロは……。

「もっと自由度がはちきれていけたらいいなと思って、新しい肩書をつけたんです。『芸術家』や『アーティスト』だとなんだかハードルが高そうな気がするので、平仮名にして、おとぼけ感を出しました」

──どの活動を軸に?

「全部メインです」

──肩書は一つという固定観念を破ろうと。

「ぜんぜん(笑)。のんが好奇心旺盛なだけで、もっとおちゃらけた感じです」

──こうあるべきという周囲の目に抗おうと……。

「別に抗ってないけど、客観的に見ると、私は問題児ですね(笑)」

 質問攻めにしてみた結果、彼女の活動を規定しているのは「自由」と「好奇心」。その言葉の源泉は出身地にありそうだ。

 生まれ育った兵庫県神河町は、田畑が広がる中山間地。「のんがのんたるところは、ここで育ったから」。中学までを過ごした。

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