スパコンの案件では、斉藤容疑者と安倍政権の大物政治家との接点も浮かび上がってくる。中でも麻生太朗財務相は16年7月、ペジー社のスパコンが導入された理化学研究所(埼玉県和光市)の施設を視察。今年5月25日の参院財政金融委員会では、フィンテック導入の課題について問われた際に、自らペジー社と思われる名前を出してこう発言していた。

「コンピューターとかAIというものが発達すると、今、日本で今年も多分世界一になると思いますが、ペギー(議事録ママ。ペジーのことか)コンピューターというのが出てきました」

 事件の構図を元経産官僚の古賀茂明氏がこう解説する。

「財務相が個別の案件について自ら視察に行ったり、国会で名前を出したりするのはかなり珍しいことで、官僚たちも意識していたはずです。経産省内では麻生氏の話は有名で、他に甘利明元経産相などとの関係も指摘されています。直接の指示の有無はわかりませんが、助成金を出すにあたり官僚側が何らかの忖度をした可能性が高い。森友・加計学園の問題と似た構図と言えるでしょう」

(本誌・小泉耕平)

週刊朝日  2017年12月29日号より加筆