成馬さんは「池井戸さん原作の日曜劇場は、かっこいい大人を描くことが多く、意外なキャスティングが目立つ。『半沢直樹』では片岡愛之助さん、『下町ロケット』では吉川晃司さんや立川談春さんなど、意外性のある起用でした。キャスティングの際、俳優という括りで考えを縛っていないんでしょう」と話す。

 意外なキャスティングで共通するのは、ドラマでの演技経験が浅いとはいえ、歌舞伎や音楽、落語など別の世界の一線にいる人たちの出演ということだ。

「他業界で活躍した人は、人生経験が豊富で貫禄や存在感を感じます。話題性だけで終わらない、説得力ある演技をこれまで見せてきたと思います」(成馬さん)

 渋い大人の男が数多く登場する池井戸さん原作ドラマには、うってつけの人材のようだ。

 陸王の第8話で、松岡がついに口を開く。クライマックスへと向かうドラマの中で、スポーツ界の熱い男がどんな存在感を見せられるのかに注目だ。(本誌 秦正理)

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