つみたてNISAは投資枠が一般NISAに比べて小さく、非課税期間が長いことから、「コツコツ投資ができる若年・中堅層に向いた制度」とされることが多い。確かにそういう側面はあるが、中高年以上の世代が使えないのかというと、「そんなことはない。十分使えるケースがある」とするマネー関係者が多いのだ。

 では、中高年以上の世代は、どのように使っていけばいいのだろうか。

 つみたてNISAの対象商品は、11月29日現在、125本。販売手数料が無料であることや、定期的に取られる信託報酬を抑えるなど、金融庁が定めた一定の条件をクリアしたものばかりだ。つまり、金融庁の“お墨付き”が与えられている。
 大和総研金融調査部の是枝俊悟研究員が、こうした点を踏まえて言う。

「中高年に限ったことではありませんが、つみたてNISAは投資初心者に向いた制度です。自分で投資商品を選べる投資経験者らは一般NISAを続けるでしょうから、つみたてNISAは新たに初心者をいかに取り込めるかがポイントになります」

 年齢的には、現在45歳までなら十分間に合う。今や65歳まで働くことが常識化しており、非課税期間20年の全期間を使えるからだ。今後はさらに就労期間が延びる可能性もあるから、50歳近くでも非課税期間をすべて使えるかもしれない。

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