三浦:阿川佐和子さんも、60歳を過ぎてからの結婚でした。
酒井:阿川さんも、長くお付き合いなさった上でのご結婚、と聞いています。お父様(故・阿川弘之氏)がお亡くなりになって、一つの「しがらみ」がなくなったので、新しい行動に出られたのかもしれませんね。
三浦:パートナーがいない人は、何か特徴があるのでしょうか。
酒井:ある意味、純粋な人が多いですよね。生活においては他者の視線があるのとないのとでは、さまざまな面で違ってきます。男性の場合は、食生活や着るもののケアがおろそかになりがちな気が。
三浦:女性はどうですか。
酒井:「誰かのためになりたい」という気持ちをたっぷり持っている女性の場合、その気持ちが行き場をなくしたりはしますよね。
三浦:最近40代後半のシングル女性3人と立て続けに会ったのですが、3人ともエネルギーがあり余っていました。ずっとしゃべっているか、初めて行った居酒屋で最初からすんごいテンションでカラオケを歌いまくっているか……。
きっと子育てでエネルギーを使っていないから、こうなるのかと思いました。カラオケには平成世代の若い女子を連れていったんですが、若い彼女はミドル女性に圧倒されたようで、「早く結婚したいと思いました~っ」って言っていましたね(笑)。中年シングル女性は、何かエネルギーを消費しきれていない感じでした。
酒井:40代だとまだカラオケなんかで発散できるんですが、50を超えると寂しさが増してきます。それが怒りに転化したり、性欲に転化したりと、暴走の方向はさまざまですが、その人が元々持っている個性が先鋭化していくような気が。
三浦:とすると、中高年シングルへのアドバイスは?
酒井:「相手を見つけたほうがいいのでは?」ですね。私は「ずっと一人でも大丈夫」論者と思われがちなのですが、一人でも自分を保っていられるのは特別な人。経済的な面でも、「ニコイチ」のほうが経費削減に……。