
昨年はドラマ「カインとアベル」(フジテレビ系)に出演、歌手としてCMソング「海の声」で紅白出場を果たし、今年は映画「火花」で主演を務める桐谷健太さん。そんな各方面から引っ張りだこの状況ですが、過去には下積み時代があったといいます。作家の林真理子さんが詳しく伺いました。
* * *
桐谷:役者には「やりたいと思ってなかった」人が意外と多いですからね。「お姉ちゃんがオーディションに勝手に応募した」みたいな人。
林:「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」にお姉ちゃんが勝手に応募したとか、お友達に「一緒に行って」と言われてついていったら、お友達は落ちて私が受かりました、みたいな。
桐谷:そういう人も多いですよね。俺の場合は、子どものころからなんか知らんけど「これや!」って。
林:高校のときは演劇部に入っていたんですか。
桐谷:入ってないです。高校のときは軽音部でドラムやって、あとはラグビー部です。
林:そのころからオーディションをいろいろ受けてたんですか。
桐谷:受けてないです。やりたいなとは思ってたんですけど、ヘアショーのモデルとかに参加させてもらったりしてました。とにかく「なんか出たい」という気持ちが強かったですね。それにはどうしたらええんやろ、大阪には吉本ぐらいしかないしな、みたいな。
林:きっかけは何だったんですか。
桐谷:あるとき、年上のヘアショーのモデルの方に、「俺、絶対ビッグになります」みたいなことを言ったら、その人に「じゃ、東京行かんとなぁ」と言われて。そこで初めて「東京や!」と。その人とはその1日しか会ってないですけど、人生変えてくれましたし、ほんとにいろんな出会いでここまで来たなという感じがしますね。
林:「売れてないときもあった」とさっきおっしゃったけど、「火花」の神谷さんみたいに古いアパートに住んでたこともあるんですか。
桐谷:もちろんです。東京に出てきて8年間は1Kのアパートです。
林:ほんとですか。バイトしたり?
桐谷:メッチャメチャしましたね。
林:デビューは何ですか。