ポリフェノールの一種「レスベラトロール」も最近注目が集まる栄養素だ。

「われわれの研究から、目の老化防止に有効だという可能性が示されました。赤ワインやぶどうの皮、ピーナツの皮などに多く含まれています。ぜひ皮ごと食べてみてください」(同)

 坪田医師は、「5−アミノレブリン酸(ALA[アラ])」という成分にも注目する。アミノ酸の一種で、冷え性の人が、代謝促進目的で摂取することでも知られる成分だ。ALAを長く研究してきたSBIファーマ代表取締役副社長の田中徹氏は、次のように話す。

「ALAは体内で『ヘム』や『シトクロム』(タンパク質の一種)に変換され、ミトコンドリア(細胞中にあるエネルギーを生み出す器官)の電子伝達系を増強することが知られています。ミトコンドリアの活性化はエネルギー産生を増強するため、エネルギー消費の大きい目や耳の健康維持にも役立つ可能性が高いというのが専門家の共通した見解です」

 ALAを多く含む食べ物は、甘酒や黒酢、赤ワイン、納豆などが挙げられる。

 栄養素を継続的に摂取するには、サプリメントを活用するのも一つの方法だろう。ちなみに坪田医師が勧めるのが「オプティエイドDE」。目にいいとされるオメガ3脂肪酸やルテインのほか乳酸菌やビタミンEなど複数の栄養素を含む。

 続いて、鍼灸師の船水隆広さんに東洋医学の観点から話を聞いた。

「足首へのお灸をするといいでしょう」

 目のケアで、足に着目するとは意外だが、どのような理由からだろうか。

「足首には『肝経』と『腎経』という二つの全身状態を調整する大事な経絡が走っています。目は東洋医学でいう『肝』と関係します。足元の調整をすると、目が見えやすくなると考えられます」(船水さん)

 東洋医学では、計画性や判断力のある人は肝の力があるといわれ、肝を「将軍の官」と呼ぶ。目の状態は肝の力を反映し、眠たそうな目の人はバイタリティーが落ち、肝の力が低下しているという。

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