個人投資家向けの指導などを手がける「こころトレード研究所」の坂本慎太郎所長も、自動車関連銘柄に熱い視線を送る。特に注目するのは、自動車部品メーカーだ。具体的には、親会社が海外資本だったり、外国人持ち株比率が高かったりする市光工業や日鍛バルブ、ヨロズなどだ。

「自動車部品関連では、株価が大化けする『ヒット銘柄』が毎年のように登場しています。自動車部品メーカーは、大手自動車メーカーの系列に組み込まれ、ビジネスモデルや収益構造を転換するのが難しかった。次世代自動車の開発が活発化したこともあって、最近はこうした系列の縛りも緩んでいるようです。特に海外資本を受け入れたところは、系列にとらわれず収益機会の拡大に積極的です」

 SBI証券客員マーケットアナリストの藤本誠之氏は、さらに進む少子高齢化がテーマだという。

「企業は今まで以上に生産性を高める必要に迫られる。アベノミクスに盛り込まれた『生産性革命と人づくり革命』に関わるような、自動化技術や育児支援、教育などの企業が注目です」

 こうしてみると、投資対象は幅広いことがわかる。どの銘柄が本当に上がるのか。未来は予想できないが、自分なりの「正解」を見つける参考にしてほしい。(池田正史、本誌・大塚淳史、多田敏男)

【アナリストがおススメする40銘柄】
■インフレメリット
三菱UFJFG、三井住友FG、みずほFG、野村HD、三越伊勢丹HD、高島屋

■割安放置株
三菱商事、国際石油開発帝石、日本製紙、新日鉄住金

■第4次産業革命
ハーモニック・ドライブ・システムズ、ダイフク、ヒーハイスト精工、sMedio、サンワテクノス

■生産性革命
グレイステクノロジー、チェンジ、鈴茂器工、G-FACTORY、デリカフーズHD

■人づくり革命
リソー教育、グローバルグループ、ヒューマンHD、チエル、うるる

■次世代自動車、澤藤電機、住友理工、パイオニア、第一稀元素化学工業

■自動車部品
市光工業、日鍛バルブ、ヨロズ、フジオーゼックス、リード

■小型成長株
じげん、ビーグリー、ヨシムラ・フードHD、エンビプロHD、ダイセキ環境ソリューション

※FGはフィナンシャルグループの略。HDはホールディングスの略。株価やPBRは10月27日終値ベース。東海東京調査センターの平川氏、フィスコの村瀬氏、SBI証券の藤本氏、こころトレード研究所の坂本氏らへの取材を基に作成

週刊朝日  2017年11月10日号より抜粋

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