「『3NO』って根本的なことで、条件以前だと思います。そんな薄っぺらく、低レベルなところで相手を選ぶことはしませんね」
なかなか手厳しい意見だが、記者が当初感じていた疑問と通ずる。32歳の既婚女性も同様だ。
「結婚前は『3NO』がいいと思っていたんですが、いざ結婚すると経済力は大事だなと思うことがたくさんあります。『3NO』は大事な要素ですが、現実的なことを考えれば、それは条件とは言えないんじゃないでしょうか」
中にはこんな意見も。
「もはや恋愛や好きなタイプではなくて、家電製品選びのように感じます」
40代の女性会社員は、同僚であり、仕事への貪欲(どんよく)さに欠ける若い女性社員らに、「3NO」の気質を見る。あらゆる場面で「守り」に入ることが最低ラインを引く態度につながっているのではないか、と読み解く。
「自分に嫌な思いをさせるな、という気持ちから生まれているのではないでしょうか。60歳で浮気をする人もいるし、交通事故で借金を背負うことだってありうる。暴力だって何が引き金になるかわからない。この人は『3NO』だなんて思っていても、崩れることだってありますから」
自身が経験してきた羽振りのよかった時代との違いも指摘する。
「かつては仕事終わりに、飲むからついてくる?って誘う、おせっかいな先輩が多かったですよね。いろんな男性を知る機会を得ましたしね。しかし、今では飲みに誘えばアルハラ扱い。社内でこぢんまりとした若い世代をつくってしまっているかもしれません」
賛否両論の「3NO」。“選ばれる側”の男性はどう感じているのか。34歳独身の男性会社員は、「『3NO』を求められる実感はありませんね」と、低すぎるハードルに疑問を呈した。
「『3NO』さえあれば結婚がうまくいくなんて、そんな簡単な話はないですよね。それだけ満たすのであれば、僕はとっくに結婚できているはずです(笑)。そもそも、結婚前から条件を付けられることに窮屈さを感じます」
岡野さんは言う。