こうした背景について、夫婦問題研究家の岡野あつこさんは、

「女性が自立する時代に変わって、男性に経済的な力を求めなくなってきているんです。高収入の男性をつなぎ留めておく必要がなくなっているから、結婚相手の条件がドライになっていることも考えられますね」

 と語る。

 さらに、SNSの浸透で、誰もが情報を得られる環境が、「3NO」を引きつけると分析する。

「どこからでもアドバイスが入る。たとえば、ネット上には『浮気の見破り方』なんてページがたくさんあるし、(フェイスブックやツイッターで)『旦那に殴られちゃったけど、次の日すごく優しくしてくれた』なんて書き込もうものなら、『それは暴力。あなたはわかってない』と教えてくれます」(岡野さん)

 かつては自身の解釈でとどめていたが、「悪いことなんだ」と気づかされることが多いのだという。昨今、著名人の不倫報道で、周囲の目が厳しくなっている。さらには、友人や他人の夫婦生活までが「のぞき見」でき、人と比べて恥ずかしくない結婚をしなければいけない、という思いが強くなり、より堅実な男性を求めているとも考えられる。岡野さんは続ける。

「暴力、借金、浮気は3大離婚原因。夫になる人にはそんなことがあってほしくない。事実婚や別姓婚がはやっていることでもわかるように、結婚にリスクを負いたくないのが若者の結婚観なんです」

 そんなイマドキの女性に共鳴するのは「3高」男性と結婚した40代主婦。「よくぞそこに気づいたなって思います」と、「3NO」を求める女性に“賢さ”を感じている。

「『3高』と違って、暴力や借金、浮気は目に見えませんし、結婚後にわかっても、ある程度目をつぶることになりますから……。まわりにはそんな事例がよくあります。結婚前に知っていたら、って悔やむんですよね」

 女性が我慢を強いられずに相手を選ぶことは歓迎すべきだが、一方で「3NO」を条件にすることに違和感を覚える女性もいる。31歳の女性会社員はこう突き放す。

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