しかし、ここで思考が止まってしまう。当たり前の条件ではないのだろうか──。男性に対し、ずいぶんと条件のハードルを下げているようにも感じる。何を隠そう、記者も未婚独身の寂しい“おひとり様”だ。高収入、高学歴、高身長と、これから努力しても手遅れの条件を求められるより、「3NO」ならば「こんな俺でも……?」と淡い期待を抱いてしまう。そんな簡単な条件を望む女性が果たして存在するのだろうか。疑念を払拭(ふっしょく)できない記者は、独身女性の本音を探るべく、聞き取り調査に向かった。
まず出会ったのが、32歳でフリーのライター女性。その働き方から、安定した職業の相手を望むのではないかと踏んでいたが、そうではなかった。
「『3NO』には同感です。以前お付き合いした人が、高学歴、高収入でしたが、性格が合わなくて」
彼女によれば、夫婦の共働きが当たり前の時代であり、男性の経済力には重きを置いていないという。
「必要なのはお金よりも癒やし。浮気、暴力、借金をしない安心感を求めます」
社会に女性が進出する一方、ストレスは募る。だから自宅は和みの場にしたいだろうし、そこで生活を共にする相手にも癒やしを求めるのは当然のことかもしれない。28歳の女性会社員はこう言う。
「『3高』を満たす男性は、どこかギラギラしてて、一緒にいると疲れちゃうんですよね。落ち着いた付き合いができて、余計な心配をしなくてもいい『3NO』男性を探すのは、よくわかります」
男性と対等でありたいという思いから「3NO」支持に変わったという意見も。28歳のアルバイト女性は、過去の苦い恋愛経験を思い出す。イケメンで高収入の彼は、浮気を繰り返し、いざこざも絶えなかった。そしてお決まりのように「俺が養ってやってるんだぞっ」と高圧的な態度をむき出しにしてきた。
「そんな関係はもう懲り懲り。結婚するなら最低限でいい。『3NO』がそろっている男性がいいです」