「これまで祖国と呼んできた唯一の国からいつの間にか追放されてしまう可能性があることに、私は深く失望している」
と述べ、今後アップルがドリーマーたちを保護する法案を提出するよう議会に圧力をかけるとともに、従業員に対する法的なサポートを約束した。
グーグルやマイクロソフト、フェイスブックなど、ほかのIT企業もアップルと同様の対応を行う見込みだ。
米調査機関のセンター・フォー・アメリカン・プログレスが試算したところによると、ダカが撤廃された場合、米国のGDPのうち4603億ドル(約50兆円)が失われるという。それだけ移民への経済依存度は高いのだ。このまま現政権の反移民政策が進めばIT業界は今抱えている従業員を失うだけでなく、世界中から有能な人材を引き抜くことが困難になる。有能な移民の積極的な受け入れを成長のテコとしてきたIT業界にとって、トランプ政権の移民政策は死活問題なのだ。
撤廃決定の翌日の9月6日、ニューヨーク州など全米15州と首都ワシントンの司法長官は、取り消しを求める訴訟を起こした。訴訟の行方を誰よりも注目しているのはIT業界のトップたちであるに違いない。
※週刊朝日 2017年9月22日号