いまだ続く加計学園問題。作家の室井佑月氏は「むしろ、この問題を追及しつづけるべきだ」だと主張する。
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7月24、25日の衆参両院の閉会中審査を見て思った。加計学園の問題は、黒に近いグレーのまま、すっきりしない感じでズルズルいきそう。
だって、丁寧に説明するといいながら、記録を破棄し、「記憶にございません」、そうのうのうといってのける安倍さんとそのお仲間たち。
しかも、過去の国会での発言をなんとか取り繕おうとするものの、細かい嘘がポロポロ出てくる。
安倍首相が、「加計学園の獣医学部新設計画を初めて知ったのは今年1月20日」って答えたよ。
いくらなんでもその嘘は無理。大胆な嘘つきだな。
その前から、腹心の友である加計学園理事長と、何度もご飯食べにいったり、ゴルフにいったりしてるじゃないさ。てか、安倍首相は過去に野党からおなじ質問をされ、「特区申請時に承知していた」と答えておった。
野党に過去の答弁との矛盾について指摘されると、
「知ったのではなく、知りうる立場にあった」だって。
はあ? この期に及んで言葉遊び? 知りうる立場にあったのは自分なんだから、1月20日以前から知ってたってこと? だったら「嘘ついた。ごめん」じゃないの?
だいたい、利害関係者である加計学園理事長に奢(おご)られていたって事実が出てきただけで、アウトな話ではないか?
安倍辞典には、「真摯に」「丁寧に」というのは、「いつものカライバリや勇ましさを引っ込め、ちょっぴり元気なく、落ち込んでいるふうに装うこと」と載っているのかもしれん。
野党側は、加計学園理事長と、前川前文部科学事務次官と、和泉首相補佐官の証人喚問を求めている。加計さんにはダイレクトに総理との関係を聞きたい。前川さんと和泉さんには、二人の証言がまったく食い違うから(「総理の口からいえないから、私がいう」と和泉さんが前川さんにいったとすることなど)、そこの部分をはっきりさせたいのだろう。
もうこっから先は、国会中継を見ている人の判断でいいかもしれない。もちろん、野党は加計学園に対する追及を止めろ、という話ではない。むしろ、この問題を追及しつづけるべき。
新しい嘘が発覚すれば、マスコミが取り上げると信じて。そうならなきゃ、忘れっぽいあたしたちは、選挙の前に忘れてしまう。微力であるが、あたしもしつこく新たな嘘が発覚した場合、それについて拡散することを止めない。
なので、マジで本気で、民進党にお願い。もっと、しっかりしてくださいよ。
仙台市長選は野党陣営が勝った。が、横浜市長選は野党陣営がバラバラになって負けた。今、この状況で、それはないやろ。
※週刊朝日 2017年8月18-25号