NHK連続テレビ小説「ひよっこ」が、好調だ。
集団就職で上京した有村架純演じる谷田部みね子の成長物語。4月の第1話の視聴率は19.5%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)で20%を割ってのスタート。6月に入ってじわじわ上昇し、6月26日からの第13週は6話すべてが20%を突破した。
朝ドラに造詣(ぞうけい)の深い上智大学の碓井広義教授(メディア文化論)は、「ようやく正当に評価されるようになってきた」という。
「舞台が赤坂に移り、登場人物の厚みがぐっと増した。みね子が働く洋食店『すずふり亭』では、宮本信子さんや佐々木蔵之介さんら、右肩上がりの世の中で地に足をつけて生きる大人の世界を見せてくれる。一方でアパートの『あかね荘』では、シシド・カフカさんや漫画家を目指す若者ら、多彩な青春像が描かれる」
近年の朝ドラで多かった実在の人物の一代記ではないことも、特徴の一つ。
「実在の人物をモチーフにした作品は、物語の着地点をある程度把握した状態で見てしまう。今回は全く先が見えない」
朝ドラウォッチャーで、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』の著者、田幸和歌子さんは、岡田惠和さんの脚本に注目する。