「みね子の日常の積み重ねを丁寧に描いています。視聴者の多くが知っている時代ならではのディテールに細やかさがある。一方で、登場人物どうしのやりとりが意外と今風だったりする。当時風に再現すると退屈なやりとりになってしまいそうなところを、そうさせないうまさも感じます」

 第13週のサブタイトルは、「ビートルズがやって来る」だった。

「ビートルズ見たさに上京した峯田和伸演じる『宗男おじさん』の存在感が大きい。ロックミュージシャンの彼だからこそ出せる説得力に加え、周りとの関わり方もよかった」(田幸さん)

 碓井教授も、

「わからないままだったお父さんの消息の一端が知らされた。ビートルズ来日という社会的なテーマと、個人的なテーマの両方が並んだことも大きかった」

 という。

 ビートルズは去り、物語は後半戦に突入した。気になる今後の展開だが、

「成長をゆっくり描いているので、70年の大阪万博あたりで終わってしまうかも(笑)。または、みね子は2017年時点で71歳という計算なので、たぶんご健在なはず。一気に時間が進んで現代につながる可能性もあります」(碓井教授)

 先の読めない展開で、好調は持続しそうだ。

週刊朝日 2017年7月21日号